補聴器と私たちの取り組み

補聴器と私たちの取り組み

補聴器で困っている方を、ゼロにしたい

満足して使っている人は、少ない。

難聴があると、加齢による認知機能の低下が加速します。しかし補聴器を活用することで、この加速をおさえられることがわかってきました(米国老年医学会誌に掲載された研究で、補聴器の装用により難聴に起因する認知機能低下のリスクが減少することが明らかになっています)。*1
ところが日本では、難聴がある方のうち補聴器を使っているのはおよそ14%。そのうち「自分の補聴器に満足している」方は38%*2しかいません。これはなぜでしょう?

補聴器を満足して使うことの難しさ。

実は、補聴器を満足して使っていくことは、そう簡単ではありません。使い始める前に、聴力や聞きたい音の希望だけでなく、補聴器への抵抗感を含めて使う方の気持ちを受けとめ、前向きに使えるよう、生活環境との関係や、ご家族へのサポートまで含めた、専門家によるこまやかなケアが不可欠だからです。

使う方の気持ちまで視野に入れ、徹底したサポートを行います。

私たちが補聴器販売店でありながら「ヒアリングケアセンター」と名乗っているのは、この「ケア」に力を入れているからです。私たちは常に補聴器のさまざまな悩みをお聞きし、困りごとを解決し、一人でも多くの方が前向きに補聴器を使えるよう、支えていきます。

*1 「自己申告による難聴・高齢者における補聴器および認知機能低下~25 年間の研究」“Self-Reported Hearing Loss, Hearing Aids, and Cognitive Decline in Elderly Adults: A 25-year Study,” Journal of the American Geriatrics Society, Oct. 2015, 63(10): pp. 2099-2104
*2 一般社団法人 日本補聴器工業会「Japan Trak 2018 調査報告」

「使える、使いたい」と思えるように。私たちの導入プログラム。

東京ヒアリングケアセンターでは、来店いただいたその場で補聴器を販売することはありません。補聴器を使われるご本人が納得して、積極的にご活用いただけることを、何より大事にしているからです。
ご購入前の「導入プログラム」によって、お困りごとやお気持ちをていねいに聞き取り、ご希望をかなえる方法を共に検討し、実際の使用環境での試聴テストを経て、ご本人が積極的に補聴器を使いたいと思っていただけることをめざします。

ご要望から生活環境まで視野に入れてサポート

補聴器そのもののフィッティングだけでなく、使う方のお気持ちやお仕事、生活環境をふまえ、ご家族や周囲の方々へのサポートまで含めて、積極的に活用いただけるよう、約1ヶ月をかけてあらゆる角度から支援いたします。

東京ヒアリングケアセンター 導入プログラム
導入プログラムの内容ーご購入前の4ステップ
導入プログラムの内容ーご購入前の4ステップ

導入プログラムのご予約はこちら

まずはお気軽に、実物を体験してみませんか?

補聴器を本当に使いたいかどうか迷っておいでなら、気軽に試せる「ステップ0・体験プログラム」をおすすめします(東急プラザ渋谷店のみ)。時間をかけず、お手軽に、補聴器にかかわるサービスの一端を体験いただくことができます。
ご本人様はもちろん、ご家族やご友人だけのご来店でも結構です。当日の状況により体験いただける内容が変わる場合もありますが、お気軽にお尋ねください。
補聴器をお使いいただくための「導入プログラム」にすぐに取り組むお時間をとれない方、実際にお使いになるか決めていない方にもおすすめです。実物を手に取ってみるだけでも結構です。今の高性能補聴器に、試しにちょっと触れてみてください。

ステップ0・体験プログラムは、
東急プラザ渋谷店でご体験いただけます
知りたい 難聴と補聴器の現在

知りたい 難聴と補聴器の現在

1 .難聴を放置するリスク

難聴を放置すると、認知機能の低下が加速します。補聴器を使うことで、この加速を抑えられることがわかっています。

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脳の老化に関するフランス・ボルドー大学の研究では、65歳以上の成人3,670名を対象に、25年間の長期にわたる追跡調査が行われました。その結果、難聴があって補聴器を使わなかった人は、難聴のない人と比較して、認知機能の低下が加速していることが判明しました。一方、難聴があっても、補聴器を使って聴力を補った人たちは、難聴のない人と差がありませんでした。*1
難聴が高齢者の認知機能を低下させ、認知症の発症にも関係していると推測されることは、これまでも多くの研究で指摘されてきました。この2015年の研究結果ではさらに、補聴器を使うことで認知機能低下の加速をおさえることができると実証されたのです。

難聴を放置した場合の認知症リスク

*1 Amieva et al. “Self-Reported Hearing Loss, Hearing Aids, and Cognitive Decline in Elderly
Adults: A 25-Year Study”, The American Geriatrics Society Oct. 2015, OCTOBER 2015–VOL. 63,
NO. 10.
*2 Lin et al. “Compared with normal hearing, increased risk of dementia” (2011)によれば、認知症
リスクの増加率は軽度難聴で1.89倍、中度難聴で3.00倍、高重度難聴で4.94倍とされています

2.脳のはたらきを妨げないために

年齢にかかわりなく、聞こえにくさが軽いうちから聴覚を補うことで、脳へのよけいな負荷を減らし、認知・理解力の向上につなげられます。

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米コロラド大学ボルダー校(アヌ・シャルマー博士)の研究*1では、軽度の難聴であっても、発症から3ヶ月程度で脳に影響を及ぼす例が報告されています。
健康な状態では、音を聞くときに脳の「聴覚野」部位を使います。しかし聞こえにくくなると「聞くための作業」に聴覚野だけでなく、視覚野や触覚野などの部位、さらには思考や記憶のための前頭葉前頭前野までが総動員され、その結果、音を聞く作業で脳が手いっぱいになってしまい、理解のために脳を使う余地が少なくなります。聞くために脳の容量を使いすぎて、認知機能が低下してしまうのです。*2
この現象は聞こえにくくなってから3ヶ月という短期間で起きますが、補聴器を適切に装用することで、前頭葉への負荷が軽減されることがわかっています。難聴が進行してから、あるいは長期に及んでからではなく、早めに、適正なフィッティングを行った補聴器を使うことが、認知機能の改善につながると考えられます。

脳のはたらきを妨げないために

*1 Campbell and Sharma (2014), Plos One, Cardon and Sharma (2018) Frontiers in Neuroscience
*2 Fakhri et al., 2013, Ong et al., 2013, Obleser et al., 2011, Vagharchakian et al., 2012, Bach et
al., 2010, Takeuchi et al., 2013, Talati and Hirsch 2005, Davis and Johnsrude 2003, 2007; Peele
et al., 2010
*3 Lin et al., 2011

3.進まない日本での活用

欧米に比べると日本では、補聴器の利用度も満足度も低いのが現状です。古い補聴器のイメージによる固定観念や、あきらめも一因と言われています。

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日本で補聴器を使っている人は、難聴がある人のうちわずか14%。さらにそのうち、自分の使っている補聴器に満足している人はわずか38%です。
補聴器を使わない人は「わずらわしい」「使っても元のようには聞こえない」など、ネガティブなイメージが根強いことが大きな理由となっています。また過去に使ってよくなかった経験や、周りで使っている人の否定的な意見も、使う気をなくさせる原因になっています。 最新の補聴器は昔のものとは見た目も機能も大きく変わっていますが、最新の補聴器に接する機会は、一般に多くありません。「どこで購入してよいかわからない」「補聴器販売店を信用できない」などの回答も、補聴器と適切な接点がないことを示しています。

補聴器の全体的満足度に関する各国比較

*1 一般社団法人 日本補聴器工業会「Japan Trak 2018 調査報告」により作成

4.現在の補聴器

現在の補聴器は、デリケートに聞こえ方を調整する、超小型コンピュータを内蔵した精密機器です。昔の「補聴器」と名前は同じでも、外見も中身もまるで別物なのです。

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補聴器のしくみ

補聴器を構成する主な機能パーツは3つ。音を拾うマイク。その音を分析して聞きやすく加工し電気信号に変える、コンピュータ内蔵のアンプ。そして電気信号をもう一度音にして、耳に送り込むレシーバー(スピーカー)です。現在の主流である「耳かけ型」や「耳あな型」の補聴器では、すべてのパーツに超小型・高性能のものが使われています。

現在の補聴器の機能

音をただ大きくするだけでは、快適に聞こえません。1日の中でも私たちをとりまく音環境は、静かな室内、雑踏の中、電車の中など、さまざまに変化します。会話の状況も、職場での打合せや会議、レストランで友人と食事、自宅で家族とテレビを観ながらなど、さまざまです。補聴器のアンプには超小型コンピュータが内蔵され、音の強弱、高低、方向などさまざまな要素を分析し、聞きやすく加工します。

ぱっと見には使っているとわからないものが主流

現在の補聴器の主流には「耳かけ型」と「耳あな型」があります。耳かけ型は、本体が耳の後ろにあり、音の出るレシーバー(スピーカー)が耳あなに入ります。本体は非常に軽く小型です。耳あな型は、本体が耳の中に入るタイプで、装着していることがほとんどわかりません。 耳あな型にはCICタイプ、カナルタイプ、耳かけ型にもミニ耳かけ型、RICタイプなど、さまざまな種類があります。聴力だけでなく、その人ごとの聞こえ方の特徴、使い方、生活によって最適な補聴器は異なり、専門家のていねいなコンサルティングで選ぶ必要があります。

耳かけ型
耳あな型
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